図書館マーケティング18
参考資料 日経新聞 2007・1・21 「異常気象世界で脅威」 「特別企画展」 世界各地で異常気象が起きている。日本は暖冬となり、欧米は異常な高温を記録し、オーストラリアでは旱魃が続き、ブラジルでは洪水が起こっている。気象庁が世界気象機関のデータを解析したところ、世界の平均気温はこれまで100年間の間に0.67度上がったという。異常気象は最近の地球温暖化が遠因とする研究者は多い。このままだと2040年には北極の氷がほぼ消滅するという予測だ。 恐ろしいことが起こりそうだ、起こっている、大変だとはみんな思っている。でも、誰も動かない。2012年までを想定した京都議定書もポスト議定書として作り直さなければならないとされている。危機はもうそこまで来ているのに、私たちの感覚は地球の危機に麻痺してしまったように、恐れを感じられない。映画も本もテレビも情報を発信しているが、情報過多な世の中では本の一頁、ニュースの一コマでしかない。目立たないのかなぁ??こんな重大なことが。 図書館もそうだ。どんな情報も中立に扱い平均化してしまう。でも、これは人類の危機なのだ。もう少し別格に扱ってもいいんじゃないかと思う。図書館だけじゃない、テレビも日に何回かこの問題に取り組み、あらゆる形でアピールする。政府も新聞も雑誌も学校も企業も全世界で特別なキャンペーンを起こすほどのことではないかと思う。日本の図書館全体でまずできること、自分たちに出来ることを考えられないだろうか・・ 図書館に特別企画展として環境コーナーを作り、資料の展示だけでなく、まちの異常気象による異変や経済への影響、海の水位や雨量などの定点観測、世界中の環境データの変化を分かりやすく解説する手作り資料、TVの環境番組の放映や講演会の開催など関心を高めるための工夫ができるのではないだろうか。これを全国レベルで行えば、他機関や政府との連携も取りやすいし、アピール度も上がる。図書館の停滞の原因は世の中への大きな貢献度が少ない、目立たないということも一因ではないだろうか。図書館が人のため、世のために貢献する実績を作り、イメージアップを図る戦略が必要な時代である。 #
by tsuji_bunbun
| 2007-03-19 00:00
| mayoto study
参考資料 日経新聞 2007・1・27 「米国の市民テレビ」 「団塊王国」 スタッフは平均72歳。そんな高齢者が運営する放送局がアメリカにある。1983年に結成されたボランティア映像集団クパティ-ノ・シニア・プロダクションだ。クパティーノ市を拠点に、高齢者のための番組を近隣のケーブルテレビに提供している。アメリカのケーブルテレビには市民参加が義務付けられており、ケーブルテレビ会社が安価な受講料で撮影や編集などの講座を受講した市民が始めたのだそうだ。テレビ局の採算ベースには合わないが、自分達が必要とする情報やメッセージ性の高い番組を放映できるのは、ボランティアでやっているからこそで、視聴率も高いという。自分の作品が地域を動かす力になればと言う思いで作るのだというから、その訴求力は強い。 私は今『新現役の会』という団塊世代を中心にした社会貢献グループに参加している。言っておくが私は団塊世代ではなく、子育て卒業世代として新しい世界にチャレンジするために参加している、念のため。そこでは、かなり元気な元現役の方々が、力を持て余して、なにかできること、やることはないだろうかと言う思いで集まっている。だからと言って、何でもやるというわけではなく、自分のやりたい事をみつけてみたいという思いのようだ。いろいろ話を聞いていると、新しいビジネスモデルやボランティアを創造することは苦手だが、気に入るボランティアや軽い仕事があれば参加したいということのようだ。 ということは、アメリカのように団塊世代が参加できる組織や設備、環境を整えた幅広いコンテンツがあれば楽しみながら地域のために働いてくれるのではないだろうかと思う。やりがいがあって、地域交流にも役立つ市民チャンネルは、団塊世代に限らず、若者や主婦も巻き込んで拡大していく可能性がある。そんな放送局を図書館に併設し、アーカイブの作成を手伝ってもらえればいいのにと思う。とても素敵な番組が出来るのではないだろうか?古き良き時代の再現や記録、これから生きる世代への提言を伝えるのに最適なメディアだと思う。 ケーブルテレビがなくても、もうすぐデジタルラジオで簡単に動画放映ができるようになりそうですよ。 #
by tsuji_bunbun
| 2007-03-15 00:00
| mayoto study
参考資料 日経MJ 2007・1・24 「ICタグでカゴごと決済」
「ICタグで借りる」 ファミリーマートでは、ICタグを利用しておにぎりや弁当の製造から販売までの管理を効率化する実験をするという。ICタグを読み取るPOSレジ(販売時点情報管理)を設置し、ICタグのついた商品ならカゴごと金額が表示されるようにするのだそうだ。 図書館はもうやってるよ~。島根県斐川町立図書館では2003年から図書館の本にICタグを貼って、自動貸し出しや蔵書管理、本の盗難防止に役立てている。利用者には、借りにくい本もあるし、顔見知りになった司書に本のタイトルをチェックされる(してないことは理解しているけど、利用者は自意識過剰なもので)のは少し面映い。自動貸出機でちゃちゃっと借りられれば、私としては言うことはないような気がする。が、そうなっちゃったら、また寂しい気もする。図書館に行って、ICカウンターで本を返して、本を選んで、ICタグカウンターで借りて帰る。一言もしゃべらなくて、誰とも挨拶もしないで、目もあわせないで、本だけ見て帰るのは、なんかいやだな~とわがままな私は思う。人恋しくて、図書館にいく。そんな時もあるんだもん。 本を借りるところに人はいなくてもいいけど、何か他にコミュケーションのできるサービスや仕組みがいると思う。上海の本屋には青いブレザーを着た店員がいて、本棚のあいだをぐるぐる廻っていた。本のコンシェルジェだ。聞きに来てくださいとカウンターに坐っているのではなく、なにかお困りではないですかと近づいてきてくれる。きっと喜ばれると思う。それに、caféの店員が司書って言うのもいい。そこで、読書案内サービスをする生き字引のような司書がいて、いろいろ本の楽しさを語り合ったりしたら楽しそうだよ。図書館利用者のレベルに合わせやお手伝いをしてくれるのがいいなぁ。みんなに優しい図書館だ。ITで空いた手は、暖かい人間らしいサービスに変換する。それじゃなきゃ、科学が発達する意味がない。 ICタグには、まだまだやって欲しいことがある。私の読書記録を作って欲しいのだ。自分の読書記録を保存するために。一生分の読書記録を持ってるなんて、嬉しいし、誇らしいし、便利だ。図書館は、個人の履歴ではなく本の履歴をとって欲しい。二十代、女性、日時、借りた本の分類、他の資料との関連、興味対象などを分析して、セブンイレブンやアマゾン並みの調査、分析を選書に役立てて欲しい。 #
by tsuji_bunbun
| 2007-03-11 00:00
| mayoto study
参考資料 日経新聞 2007・1・18 「ことづて」
「ことづて」 近畿大学民族学研究所助教授の野本寛一さんの「ことづて」を聞いた。民族学の世界には教育や食、環境や女性のあり方など、私たちが忘れかけている、豊かな知恵がたくさんあるという。先人達の「ことづて」を見つめなおし、生かすことは出来ないだろうか。 ほんの少し前まで日本中に多彩な文化があり、暖かい心配りが行き届いていた。たとえば、長野県のある地域では季節ごとに年上の子どもが小さな子どもを引率して山に入り、草花や木の実を採っていた。上の子が下の子たちに採り方や場所を教え、採ったものはみんなで分配した。家で飾る花、お盆にお供えする花を採るのはこのような子供たちの役割だった。また、キノコ採りに行けば年寄りに「小さいのは残してきたか」と訊ねられる。こんな風に子どもたちは、手伝いをしながら自然や祖先を敬う心を学び、生き物と心から触れ合ってきた。家庭はもちろん、地域とその生活が一体となって子どもを育んでいただという。 しかし、昔を再現できるわけがない。今、私たちが生活の中で出来ることを、先人の文化と言う無言の「ことづて」からエッセンスとして踏襲していかなければならないのではないだろうか。そのために、まずやるべき事は「調査」だ。地域や風土に育まれた生活の知恵が、それぞれの土地に芽生えた文化だと思う。何処かの誰かの文化では、この地に芽吹くことが出来ない。自分たちのまちの文化を聞いて、書いて、記録する。録画して記録する。そんなアーカイブ作りが必要だ。自然条件から生まれた知恵、歴史的要因から生まれた文化、経済から見えるまちの時代絵巻などの過去の上に、成り立つ現代を見据えて、未来を描かなくてはならない。急速な高齢化を迎えた今、明治、大正、昭和を残す作業は、急がなくてはならない作業だ。これは、これからクローズアップされる図書館サービスは地域資料の収集ではないだろうか。 予算がない、人がいない。まず頭に浮かんだのはその問題だろうと思う。それは確かに問題だが、まちの文化を守る、育てる、記録するという20世紀の礎を保存する大切な役割の重要性を考えれば、図書館が市民に、政治に、役所にプレゼンテーションする気概が必要ではないかと思う。待っていても何も始まらない。気づいた人から、言い始める、やり始める。そして私たちは新しい文化を創り始めようではないか。 #
by tsuji_bunbun
| 2007-03-07 00:00
| mayoto study
参考資料 日経新聞「けいざい楽校」世界トップが集うダボス会議
「市民の力」 世界の企業経営者らが集まるダボス会議(世界経済フォーラム年次総会=71年から経営者や学者など2000人ほどが集まり、世界経済を論じている会議)の今年のテーマは「移行する力の均衝点」だという。かつては政府が市民に政策を押し付けたが、今や市民が政府に政策の実行を迫る時代になった。世界を変える力の均衝点が移り変わっているという兆候だとシュワブ会長は語る。 それは情報公開の力だ。情報が公開されることが大前提になった。またそれがインターネットで公開されるのだから、市民は家に居ながら様々な情報を手軽に手に入れて、見比べることが出来るようになった。市民は知りたい情報を知る権利を持ち、行政は市民に分かりやすく説明しなければならなくなった(アカウンタビリティ)。ということは、いい加減な政治や行政、企業経営ができなくなるということ。隅々まで、きちんと説明しなければならなくってきた。それは日々、身をもって感じていたことだが「ダボス会議」の主題で論じられるような世界の潮流になっているとは思わなかったので驚いた。 そういえば、慶応大学大学院教授上山信一さんの著書『政策連携の時代』日本評論社 でも、これからは市民が困っている問題をネットで発信すれば、大学の先生や企業などの専門家が問題解決を手伝ってくれたり、新しい事業を作り出せるような時代になると書いている。アメリカでは、もうすでにそんな事例がたくさんあり、一人の主婦が町おこしに水族館を作ろうと提案し、駅舎を改築したり商店街を作り直して町を発展させた話を読んだことがある。もうすっかり市民の時代になっているらしい。日野市の市政図書室では行政資料を利用して『総合計画』を作った市民がいると聞いた。市民にも情報があれば、政策提言が出来る。もともと職員や担当者だってただの素人、情報さえあれば政策提言はやろうと思えば誰にでも出来ることかもしれない。 今や市民が政府に政策の実行を迫る時代になった。情報化時代の市民の力、恐るべし。しかし、これからが民主主義の本番だ。図書館は世界を変える力のバランスが変わっているのだから、市民が民主主義を支えられりように体制を整え、時代にみあう図書館運営の戦略を整える必要があるのではないだろうか。市民の力の源は、なんと言っても「情報」なのだ。それしかないのだから。 #
by tsuji_bunbun
| 2007-03-02 00:00
| mayoto study
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