参考資料 日経2006・12・24「国際文化フォーラム」
「文化の仲間はずれ・図書館」 「21世紀は文化の時代といわれる。情報技術が進展する時代、世界を理解するには、自分たちのルーツや歴史を見極め将来を見通すが力が不可欠だ」と語るのは韓国釜山博物館長の李仁淑氏。10月24日に九州国立博物館で開かれた国際文化フォーラムの座談会で、大原美術館長高階氏を座長に、九州国立博物館長三輪氏、韓国釜山博物館長の李仁淑氏、フランス美術館群名誉総局長ガシャン氏、ロサンゼルスカウンティ美術館学芸部長マランデル氏が美術と文化について語り合っている。 世界の平和を目指す相互理解のために博物館や美術館の存在意義が高まっていることが確認され、ユネスコなどの国際的な公的機関が関わり、モノの所有にこだわらずに社会資産として美術作品を共有してはどうかという文化的意識の高い会話が交わされている。実際、今でもコレクションを融通させて企画展を開催したり、連携してイベントを開催したり、保存や修理を共同で行うなどのネットワークが組まれているようだ。素晴らしい! しかし、文化といったとき、美術館や博物館だけが座談会に招かれ、図書館が仲間はずれにされているのはなぜなのだろうか?言葉で書き記した現在や過去、未来をそして未来を創造するのが本。それらを保存する機関である図書館も自分たちのルーツや歴史を見極め、将来を見通す力を持っている。その存在は美術館や博物館にくらべて、もっと私たちの身近で日常生活の中に組みこまれている文化施設です。美術館や博物館に比べて、相互理解を促すモノとしては「言葉」のほうが相互理解度が高いツールだと思うんだけど・・。確かに、日本では博物館や美術館の高価な収集品に比べて、どこででも手に入る「本」と言う媒体は文化貢献の認識イメージが低いような気がする。それとも女性が多い職場だから美術館よりステータスが低いのか、図書館が身近すぎるから権威がないのかな?でも、利用者数を比較すると、人口150万人に対応する長崎県立美術館の入館者が年間60万人。同じ長崎県の諫早市は人口10万人で諫早市立図書館の入館者は年間50万人。その対比から考えれば、費用対効果、文化貢献度の大きさは計り知れないものがあると思うんだけど、どうでしょう。それに、図書館も世界的なネットワークを結んでいるしユネスコでも公共図書館に対して「公共図書館が教育、文化、情報の活力であり、男女の心の中に平和と精神的な幸福を育成するための必須の機関である」とユネスコの信念を表明する宣言を出している。図書館が国際的な文化機関でないはずないよね? 最初の言葉に戻れば「21世紀は文化の時代ともいわれる。情報技術が進展する時代、世界を理解するには、自分たちのルーツや歴史を見極め将来を見通すが力が不可欠だ」というが、博物館の過去の遺物や概念的な美術館の収集品より、言葉による交流のほうが端的に理解が深まると思うし、互いに対する無知がさまざまな疑惑や不信感を生み出し、戦争につながるのであれば、現実から未来を見つめることに文化的に貢献できるのは図書館を於いて他にないと思うんだけどね。図書館の文化から「男女の心の中に平和と精神的な幸福を育成する」とユネスコも認めているのです。と言うことで、次回の国際文化フォーラムには、必ず図書館も仲間に入れてあげてほしいナと思う次第です。
by tsuji_bunbun
| 2007-01-17 00:00
| mayoto study
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