1 子どもへのサービス
子どもにとって本はよい友達です。 図書館では司書が子どもたちのために本を選び、 子どもたちがたくさんの本と出合えるように様々な工夫をします。 図書館が身近にあることで、 どんな環境の子どもたちでも平等に本の世界のすばらしさを知り、 自ら学ぶ楽しさ、表現する喜びを体験できます。 図書館は子どものあらゆる可能性を伸ばす手伝いをします。 小さな子どもへのサービスのポイントは次のようなものです。 (1)子どもたちに本の世界のすばらしさを伝えるために児童サービス専門の司書が優れた本や資料を選びます。司書は子どもたちに本の楽しさを伝え、広い世界へ導く仕事をします。 (2)子どものためには絵本を含むさまざまな本、新聞、雑誌、紙芝居などを中心に、子ども用にカセットテープ、CD、ビデオ、DVDといった視聴覚資料を準備します。子どもたちがビデオやCDを見たり、聴いたりできる設備を整えます。 (3)家庭に常に最新の情報機器があるとは限りません。図書館では子どもたちが常に最新の情報収集体験ができるようにします。子どもが自由に情報収集するためにインターネットも子供用に利用制限して提供します。 (4)子どものスペースには必ず司書のデスクを置き、子ども達の本の相手をし、保護者の本の相談を受けます。図書館では、家庭に読書環境を作るため保護者が子どもの読書に興味を持つようなプログラムを開催します。お話を聞くためのコーナーを作り、司書は子どもと本をつなぐために本の読みきかせやブックトークなどの楽しいお話会を催します。お話会以外の時にはボランティアや子どもたちが自由に朗読をして、みんなを楽しませることができます。 (5)子どもが自分にふさわしい本がどこにあるのかが、わかりやすいように書棚の形を考え、本の配置を工夫します。小さな子どもが本を選ぶときは本の表紙で内容を知ることが多いものです。絵本や児童書の書棚はなるべく表紙が見える状態で展示し、子どもが自分で本を選びやすいものにします。絵本や児童書は複本(複数の同じ本)を常時補充できるようにします。 (6)子どもにまちの歴史や文化を伝えるための地域資料や情報交換コーナーを作ります。 (7)小さな子ども連れも周囲に気兼ねなく図書館を利用できるように、子どもコーナーやセミオープンなテラスを作ります。また、子どもが表現する場を作ることも大切です。朗読したり、歌ったり、踊ったり、絵を描いたりできるようなコーナーも作ります。 (8)図書館へ行く時間がない、図書館へ一人で行くことができない子どもたちのために、移動図書館車が学校や地域の公共施設で図書サービスを行います。 (9)地域在住の外国のこどものために多言語資料のサービスをおこないます。 (10)学校図書館に専任の司書や司書教諭が配置され、学校図書館の資料が充実されるまで、市民図書館で子どもたちの「知りたい要求」に答えられるよう、調査や学習のためのレファレンスを行います。子どもの頃から学ぶ力をつけるために学校や教員とも連携し、集団や個人を対象として利用教育を行います。 ヤングアダルトサービス(10代の子ども) 10代の子ども達(主に中高生)は本という抽象の世界、精神的世界を一番必要としている年代ですが、生活パターンや思春期特有の精神状態から図書館を利用することが少ない年代になってしまいます。特に音楽や映像、スポーツなどこの年代に関心の高い情報提供を手がかりにして、AVコーナー周辺にヤングアダルト向けのサービス機能を配置します。この時期を過ぎると就職や進学のために、まちを出ていく子どもたちも多いようです。私たちは図書館が子どもたちの心のふるさとになるように図書館を子どもと地域をつなぐ場とします。 10代の子ども達のためには次のような図書館サービスを考えています。 (1)「本を手にする」「読む」事に抵抗がないよう、音楽や映像、スポーツなどの資料と雑誌や本を一緒に並べます。 (2)中・高校生は読書傾向に大きな幅があります。ヤングアダルト専門の司書が図書館全体を対象にして本のガイドを勤めます。 (3)子どもたちも利用できる健全な表現活動、情報発信、情報交換の場を作ります。本を読む、勉強するだけでなく、音楽や映像を自由に楽しめるようにします。グループ室や音楽・映像スタジオを設ける事で、活動の場を広げます。AV担当の司書はAV資料や、機器に詳しく、子どもたちの表現要求を助ける働きをします。グループ室や音楽・映像スタジオは一般にも使えるようにし、交流のきっかけとします。 (4)中高生が利用しやすい情報提供の方法、たとえばHPなどを使った本の紹介やリクエスト受付、読書相談の受付、レファレンスなど図書館へ行かなくても図書情報や図書館サービスを受けられるようなヤングアダルト向けのシステムを作ります。 (5)10代の子ども達が自由に集う場所として図書館は重要な役目を果たします。図書館を一人でも、友達とでも気軽に立ち寄れるような場所として利用できるようにします。 (6)図書館に訪れる多様な年代の人びとと10代の子どもたちが自然な形で交流できるような場と機会を作るよう心がけます。
by tsuji_bunbun
| 2005-07-27 00:00
| 【welovetheとしょかん】
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